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海岸

留年記
あらすじ

海の香に包まれて育った一人の少年、ある夏、突如として「外」なる世界に憧れを抱き、学び舎を移す。そこから始まる六年の寮生活は、

友情と軋轢、そして不思議な修練によって、彼の心を少しずつ鍛えていった。

学びは時に逃避の手段となり、逃避はいつしか愉しみに変わる。

進む道には幾度かの試練が待ち受けていたが、彼はそれを

「少し遠回りな散歩」とでも思っていたのかもしれぬ。

ある時は仮面を被り、ある時は試験に挑み、

またある時は静かに時をやり過ごす。

気づけば季節は巡り、世は就職なる名の次なる舞台を用意していた。

酒を愛し、人の縁を求めるその姿は、どこか滑稽で、

どこか愛おしい。――さて、彼の歩みは果たして迷いか、はたまた風流か。読者諸君の想像に委ねるとしよう。

空

"Island-raised Through Twists and Turns" — 

Raised by the sea breeze and lulled by the waves, a boy once gazed beyond the horizon and, one summer, decided to step outside the familiar. Thus began six years of communal life, where camaraderie and conflict seasoned his youth, and an unexpected discipline quietly shaped his spirit.

Study, at first a refuge, gradually became a quiet joy. The road ahead was neither straight nor smooth, but he seemed to treat each detour as a kind of leisurely stroll—albeit one with exams, absences, and the occasional existential pause.

At times he wore a mask, at times he challenged the gatekeepers of bureaucracy, and at others, he simply let the seasons pass. Eventually, the world of employment loomed, as it does, with all its vague promises and polite anxieties.

He enjoys his drink, nurtured by a culture that values the warmth of shared cups, and seeks gentle connections with those who’ve also wandered a little off-course. Whether his journey is one of missteps or quiet elegance—well, dear reader, that is for you to decide.

ENG TRANSLATION 

留年記

海のそばで育ちました。中学までは塾にも通わずのんびりしていたけど、なんとなく「外 に出たい」と思い続けて、中 1 の夏に編入試験を受けて県内の進学校に入学しました。そ こから 6 年間の寮生活。なかなかキツかったですが、同じ釜の飯を食った仲間と過ごした 時間のおかげで、メンタルはそれなりに鍛えられたなと今では思います。

最初は協調性もなく、正直浮いていました。中学生らしい喧嘩を繰り返すなどいろいろあ って、最終的に空手部で矯正されてこいということで入部するはめに。嫌々始めたけど、 気づけば県代表で全国選抜大会に出場するくらいにはいい感じに続いていました。勉強は というと、部活が嫌すぎてむしろ息抜きとしてやっていたら、意外と伸びてきて楽しくな っていった感じです。

受験は高 3 の夏から追い上げて、本番は某大に数点差で不合格。1 年あればいけると思っ て浪人したものの、翌年は愛すべき慶應に進学しました。

大学生活はそれなりに順調で、 1 年目は GPA も安定。

ただ、なんとなく受験の緊張感が恋しくなって、

2 年進級のタイミ ングで休学して仮面浪人。

結果は不合格。

 

また戻ってきて、今度こそ 2 年生。 と思いきや、必修の通年授業を初回から欠席しまくったことで、春の時点で留年がだいた い確定。

とはいえ通年授業だから成績が出るのは年度末で、親にはまだ言えず、「これは何 か成果を出して帳消しにしなきゃ」と思い、国家公務員総合職(教養区分)を受験するこ とに。

試験は、一次が大学受験の延長みたいな内容で、

自分のように受験が長引いたタイプには 意外と馴染みがありました。

二次では、東大・一橋・早慶の学生たちとディスカッション やプレゼン。

 

なかなか刺激があって、久しぶりに「やっている感」がありました。

結果、無事合格。

 

…のはずだったんですが、数か月後大学からは原級とのお知らせ。秋試験に受かっておいて大学に卒業を遅らせられたということで、はい一つ国益が損なわれた 瞬間でした。

その頃、ちょうど恋人とも別れてメンタルにきていたので大学やめようかとも思ったけど、

2 ヶ月ほど部屋に引きこもった末にちょっと元気になって、

気づいたらまた普通に過ごしてました。

 

2024 年はそんな感じで特に何もせず、静かに過ぎました。

そして今、2025 年。就活が始まりました。

どこに向かうかはまだ分かりませんが、今は焦らずのんびりしすぎずのスタンスで進めています。

Modern Architecture

それと酒は好きです。九州出身なので、飲みの文化に育てられた感じがあります。飲み会 があれば行きたいところ。というわけで、同じようにいろいろあった人たちと、ゆるくつ ながれたらうれしいです。よろしくお願いします。

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